■アラダイス氏が向けた批判の矛先は英王子にも

 アラダイス氏のトラブルは、潜入取材を行うテレグラフの記者と面会する約束をしたことから始まった。

 記者が装った偽の代理人会社が移籍金に投資することによって国際サッカー連盟(FIFA)が禁じている選手の第三者保有に関与することについて問題があるか尋ねると、アラダイス氏は同じような行為をしている複数の代理人を知っているとした上で、「まだ割り込む余地がある。そこには莫大な金が絡んでいる」と話したと、テレグラフは報じている。

 アラダイス氏はまた、スピーチが得意でないホジソン氏をあざけり、FAがウェンブリーの改修に「おろかにも8億7000万ポンド(約1145億円)を費やした」と批判。さらにFAの会長を務めるウィリアム王子(Prince William)が先日、ロンドンで行われた2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)の予選に姿を見せなかったことについても、不満をあらわにした。

 そしてホジソン氏の欧州選手権へのアプローチが「あまりに優柔不断」で「会見は魅力がなかった」と批判し、大会の失敗は選手に「心理的な壁」があり「協力を得られる状態ではなかった」と断じている。

 FAの最高責任者であるグレン氏は、アラダイス氏と手を切る以外の選択肢はなかったとの見解を示し、「われわれは結論を出し、サムは自分の行為が不適切で、明らかにイングランド代表の監督に求められているものではなかったと認めている」と語った。

「われわれはFAの規則をはじめ、イングランド代表の監督であればしてはならない個人的なコメントについて話し合った」

(c)AFP