【9月28日 AFP】サッカーイングランド代表監督のサム・アラダイス(Sam Allardyce)氏が27日、英紙のおとり取材で不適切な発言があったとして、就任後わずか67日で辞任した。アラダイス氏の代役として、今後4試合はU-21イングランド代表のギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督が指揮を執ることが発表されている。

 アジア方面のビジネスマンを装ったデーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙の記者に対する軽率な発言により、アラダイス政権は衝撃的な結末を迎えることとなった。61歳のアラダイス氏は、サッカー界では禁止されている選手の第三者保有を回避する方法を指南すると、ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)の改修を決定したイングランドサッカー協会(FA)を批判し、前任のロイ・ホジソン(Roy Hodgson)氏をこき下ろす様子を隠し撮りされた。

 今年7月に年俸300万ポンド(約3億9000万円)でイングランド代表監督に就任したアラダイス氏はまた、偽会社の大使としてシンガポールや香港(Hong Kong)に40万ポンド(約5300万円)で渡航することも約束している。

 10年以上にわたり代表監督就任を切望していたアラダイス氏だが、今回の問題でその座を明け渡すことに同意せざるを得なくなり、FAは声明で「サム・アラダイス氏がイングランド代表監督を退任した」と発表した。

「アラダイス氏の行為は、イングランド代表監督として不適切なものだった。彼は重大な判断ミスがあったことを認めており、謝罪している。しかしながら、問題の重大性を考慮し、FAとアラダイス氏は契約を即座に破棄することで合意した」

「イングランド男子代表チームの監督というのは、強烈なリーダーシップを行動で示し、いかなるときも競技への尊敬を示さなくてはならないポジションなのだ」

 今回の問題発言は26日未明に報じられ、27日早朝にアラダイス氏は英ロンドン(London)に急行したが、指揮官の地位を守ることはできなかった。FAのグレッグ・ダイク(Greg Dyke)会長とマーティン・グレン(Martin Glenn)最高責任者は、ウェンブリーでアラダイス氏と面会した上で、この困難を乗り越えるのは不可能と判断し、わずか数時間後にアラダイス氏解任の文書に判を押した。