焦燥するトランプ氏、イランに対する「カードがない」ことを痛感か
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【5月12日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領が好んで使う比喩の一つに、「私にはカードがある」というものがある。米国の国力と自身の才覚によって、どんな敵にも打ち勝つことができるという意味だ。
だが、元カジノ経営者であるトランプ氏はイランに関して、実際にはそれほど強いカードを持っていないことを痛感しているに違いない。
トランプ氏は今週、イランとの交戦によって延期されていた中国訪問に臨むが、勝利者としての強さを誇示するどころか、イランが米国側の条件での合意を頑なに拒否し、米国民の支持率が低下していることで依然として苦境に立たされている。米国民の多くはイランとの交戦を支持しておらず、ガソリン価格の高騰に不満を募らせている。
米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で中東プログラムのディレクターを務めるモナ・ヤコビアン氏は、「現時点で、トランプ大統領に良いカードはほとんどない、あるいは全くないように思える」と指摘する。
トランプ氏は2月28日、イスラエルと共同でイランを攻撃し、前最高指導者アリ・ハメネイ師をはじめとする多くの幹部を瞬く間に殺害した。
だが、イランは速やかに反撃に転じ、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を事実上封鎖。さらに、米国と同盟関係にある湾岸諸国にミサイルや無人機による攻撃を繰り返し、石油資源に恵まれたこれらの国々が苦労して築き上げてきた安定という評判を揺るがした。
ヤコビアン氏は、米国がイランをホルムズ海峡から排除するには大規模な武力行使が必要だが、それは世界市場に新たな大混乱をもたらし、湾岸諸国に新たな脅威をもたらすと述べた。
交戦中の今、イランの主導権を握る革命防衛隊(IRGC)は、文民やイスラム法学者以上に米国との妥協に関心を示していない。
「トランプ政権はイラン政権の性質とアプローチを根本的に誤解していると思う」とヤコビアン氏は指摘する。