中国の複数大学で科学者が学長に
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【6月12日 CGTN Japanese】中国の各大学では、最近、頻繁に人事異動が行われ、学術分野で成果を挙げている科学者が大学の学長になり、「院士(中国科学院および中国工程院の会員)学長」の誕生が注目を集めています。
今月7日、中国工程院の王樹新(Wang Shuxin)院士は中国北西部にある重慶大学の学長に任命されました。王院士は機械設計・製造が専門で、長年にわたってフレキシブルシステムとその海洋・医療・製造設備における応用を研究しています。王院士が率いて研究開発した「器用な手先」という名の低侵襲手術ロボットシステムは中国国内で初の内視鏡手術製品登録証明書を取得しました。また、王院士がリードする「ウミツバメ」シリーズの水中グライダーは潜水深度1万619メートルの世界記録を打ち立てました。
同じく中国工程院の院士で、レーダー情報処理専門家の竜騰(Long Teng)氏は5月30日、北京理工大学の学長に就任しました。竜院士は長年、スペースレーダー情報処理に関する基礎科学研究に携わっています。
さらに、6月5日、中国中部の河南省(Henan)の名門校2校がそれぞれ院士学長を迎えました。2人の学長はいずれも中国科学院の出身で、分子生理学専門家の李蓬(Li Peng)院士は鄭州大学、化学専門家の張鎖江(Zhang Suojiang)院士は河南大学の学長に就任しました。
近年、中国では院士が学長へと転身することは珍しくありません。2月には、中国石油大学勝利学院が新設した山東石油化学工業学院が発足しましたが、学長は石油化学工業の専門家で、中国科学院の徐春明(Xu Chunming)院士です。同じ2月には、電子学の有名な専門家で中国科学院の毛軍発(Mao Junfa)院士が中国南部の深セン大学の学長に就任しました。4月には、精神病と臨床心理学の専門家で、北京大学第6病院の院長を務める中国科学院の陸林(Lu Lin)院士が山東第1医科大学(山東省医学科学院)の学長に就任しました。
科学者の大学学長就任は人々から大いに期待を寄せられる一方、中国の大学が世界の科学技術の最先端に立ち、科学と教育の融合を加速させ、戦略的・系統的・未来志向の研究を行うという大学教育の理念をも表しているとみられています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News