WHO、マスク指針を転換 密接場面で着用推奨
このニュースをシェア
【6月6日 AFP】世界保健機関(WHO)は5日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けたマスク着用指針を転換し、ウイルス流行地で対人距離の確保が難しい場合には布製マスクの使用を推奨すると発表した。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は会見で「変化を続ける証拠に照らし、WHOは各国政府に対し、広範囲の感染が起き、物理的な対人距離をとるのが難しい公共交通機関や店舗などの密閉環境や混雑した環境では、一般市民にマスクの着用を奨励するよう勧告する」と述べた。
一方で、WHOは新型コロナウイルス感染症の症状がある人は自宅待機すべきで、症状のある人やその接触者がどうしても外出する必要がある場合は医療用マスクを着用すべきだという従来の指針は維持した。
WHOはまた、一般向けの非医療用布製マスクについて、材質の異なる布を少なくとも3層重ねた構造にすべきとする新たな指針を公表。内側は吸水性がある綿など、中間層はフィルターとして機能するポリプロピレン製の不織布など、外側は耐水性のあるポリエステルなどを使うよう呼び掛けた。
ただし、WHOの緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は、布製マスクはあくまで着用者が他人にウイルスを感染させるのを防ぐためのものであり、自らの感染を予防するものではないと強調した。(c)AFP/Robin MILLARD