■ぶざまなフォーマット

 ニュージーランド・カンファレンスのファンが不満をあらわにしているのは、カンファレンス順位が優先されるため、NZカンファレンスの多くのチームが、他カンファレンスの1位チームを勝ち点で上回っているにもかかわらず、ワイルドカード扱いになることだ。

 ニュージーランド著名なラグビーコラムニスト、フィル・ギフォード(Phil Gifford)氏は、スーパーラグビーを「色あせて複雑化している」と表現し、「ニュージーランドの選手は、身を粉にして激突しているのに、南アフリカの2つのカンファレンスは、例えて言えば、二流チームを相手に豪華クルーズを楽しんでいるようなものだ」と主張している。

 オーストラリア・カンファレスでは、5チームの実力が分散されて、インパクトに欠けるというサポーターからの声も多い。

 コラムニストのロバート・クラドック(Robert Craddock)氏は、豪紙オーストラリアン(The Australian)で、「世界的な規模拡大による利益に胸が高まっていたにもかかわらず、特にオーストラリアでは、このぶざまなフォーマットがうまく機能するのか判断できる段階にない」と論じた。

 一方、ラグビーの世界最高峰リーグに参戦する機会に恵まれたサンウルブズやジャガーズは、前向きな姿勢を示している。

 17-92の屈辱的大敗から立ち直り、スーパーラグビーで初勝利を飾ったサンウルブズのマーク・ハメット(Mark Hammett)HCは、「開幕時の期待は、すでに超えることができた」と話している。

「4月のジャガーズ戦で、目標に掲げていた1勝を挙げられて良かった。われわれは毎試合、負けると思われてきたチームだ。惨敗もあったが、もう一歩で勝てる試合も3~4試合あった」

 SANZAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアの3か国からなるラグビー連合協会)は、リーグがさらに拡大する可能性がある2018年に向けて、フォーマットの変更を模索しているものの、最低あと1シーズンは現行形式が継続されることになる。(c)AFP/Robert SMITH