トランプ大統領の影響か、NYファッションウィークが規模縮小
【2月10日 AFP】2月9日に開幕したニューヨークコレクションは、通常よりも規模が縮小されている。ビッグメゾンがパリ(Paris)やロサンゼルス(Los Angeles)に発表の場を移し、ファッショニスタたちはドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領時代におけるファッションウィークの新しい意味を探し求めている。
アメリカの最大都市であり文化の中心地であるニューヨークで年2回、2月と9月に行われる恒例のファッションウィークには、23万人以上が来場する。何百ものショーや取引、パーティーが開催され、900万ドル(約10億1700万円)近くの経済効果を持つ。
自身のブランド「イージー(Yeezy)」シーズン5のコレクションを発表した後、過度のストレスで人目を避けていたと噂されるラッパーのカニエ・ウエスト(Kanye West)も復帰を果たし、セレブウォッチャーの関心を集めている。先シーズンはモデルたちが卒倒したり、遅れに遅れた蒸し暑い野外でのショーで観客をぐったりさせたりしたが、今回はそんな苦情を避けたいに違いない。
またほとんどのイベントが、流行に敏感なチェルシー(Chelsea)やソーホー(Soho)界隈で行われる中、“クールの王様”である「アレキサンダー・ワン(Alexander Wang)」は、アフリカ系アメリカ人文化の歴史的な中心地、ハーレム(Harlem)で新作を披露すると伝えられている。
自由主義のアメリカがトランプ大統領に憤慨している混乱のシーズンになると予想されるが、デザイナーの不在やファッションウィークの利点、形式についての疑問は増えるばかりだ。
■海外逃亡するブランド
演劇的なショーで愛されている巨大ブランド、「トミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)」は、先駆けてロサンゼルス(Los Angeles)に発表の場を移し、モデルのジジ・ハディッド(Gigi Hadid)とコラボレーションした2回目のコレクションをベニスビーチ(Venice Beach)で発表した。それにならったのは、「レイチェル・コーミー(Rachel Comey)」と「レベッカ・ミンコフ(Rebecca Minkoff)」だ。「フード・バイ・エアー(Hood by Air)」と「ロダルテ(Rodarte)」はパリへ向かい、「プロエンザ・スクーラー(Proenza Schouler)」もニューヨークでの発表は今季を最後に、その流れに続く。
「ヴェラ・ウォン(Vera Wang)」はランウェイからショートムービー形式へと替え、パリコレクションのオープニングに合わせてオンラインで発表する。同日、彼女はフランスで最高級の栄誉であるレジオン・ドヌール勲章(Legion d'Honneur)を受勲する予定だ。
さらに今シーズンは「DKNY」や「オープニング・セレモニー(Opening Ceremony)」、さらに「プーマ(Puma)」と米歌手のリアーナ(Rhianna)によるストリートウェアブランド「フェンティ プーマ バイ リアーナ(FENTY PUMA by Rihanna)」も参加しない。