【5月27日 marie claire】伝説のカップルの娘として幼い頃から注目を集め、フレンチアイコンとして世界中で愛されてきたシャルロット・ゲンズブール。この夏、50歳を迎える彼女は、現在も映画に新しいアルバムにと精力的に活躍し、母であるジェーン・バーキンのドキュメンタリー制作にも取り組んでいる。これまで何かとミステリアスだった彼女だが、今回は自分について、さらに父セルジュ・ゲンズブールや家族についても真摯に明かしてくれた。

あなたにとってファッションとは?

16歳くらいの頃から自分で着るものを選び始めたの。その時はとにかく"服"がほしかった!古着を探して蚤の市に通ったわ。今は逆に新しいものも好き。考えが変わったのは、当時「バレンシアガ」にいたニコラ・ジェスキエールに出会ってからね。彼が私にファッションを教えてくれた。それまではレッドカーペットなんてうんざりだったけど、ニコラのおかげでそれが楽しみになったの。私は胸もないし、ひょろっと細長い体をしている。そういうコンプレックスを乗り越えさせてくれたのよ。姉のケイト・バリー(写真家・2013年逝去)にも助けられたわ。オートクチュールのドレスを着た私の写真を撮ってくれた。彼女と一緒にいると、自分のことを美しいと思えたの。それから、アンソニー・ヴァカレロに出会い、「サンローラン」に就任した彼を追いかけたわ。私は街中で注目を浴びたくないし、スカートもはきたくない。だんだんメンズの服のほうが好きになっている気がする。今はロックダウンの影響もあって、日曜日にはスウェット姿。そんな自分を前は想像もしていなかった。でもファッションの面白さを再発見できるなら、きっとそれは素敵なことね。

父、セルジュ・ゲンズブールについて今語ることは?

この3月に父の30周忌を行ったわ。初めてのことよ。本当は長いこと抵抗を感じていたの。けれど、今は違う。フランスから遠く離れて暮らしたことで、パリのヴェルヌイユ通りに開くミュージアムの構想も練ることができたわ。父が暮らしたあの家は私にとって記念碑のようなもの。やっと父に関して語る心の準備ができたの。以前は、気の利いたエピソードをたくさん話せないことを恥じていた。何も父のことを知らないんじゃないかってね。他の人の話の方が、私の思い出よりずっと意味があるように思っていたのよ。ただ、父の歌はまだ聞くことができないわ。でも、私の子供が聞いてくれていると幸せな気分になるの。

母、ジェーン・バーキンのドキュメンタリーとは?

着手したのは、3、4年前。彼女が日本でコンサートを開いた時よ。ひっそりと始めたの。私にとっては、母に近づくための手段だった。彼女を美しく撮りたいというのもあったしね。けれど、最初は撮影自体が気に入らなかったみたい。「撮るのをやめて」と言われたわ。でもその後で映像を見せたら「大丈夫よ。続けて」って!帰ってから、パリやブルターニュ、スタジオで大半を撮影した。コンサートがメインだけれど、本当は彼女のパーソナリティに興味があったのよ。たくさん話したわ。親密すぎて、少し居心地が悪く感じることもあったほどよ。撮影はほとんど完了しているの。でも母に見せるのはすごく怖い。彼女は自分の映像を見るのが好きじゃないのよ。そこは私も受け継いでいると思うけれど。それでも、少しは気に入ってくれると嬉しいわね。

3人の子供たちとの生活は?

長男のベンがスクリーンデビューを果たした時は感動したわ。昔の自分を見ているようだった。ベンも映像の中の自分を見るのは嫌いみたいね。私も通った道よ。長女のアリスはニューヨークの生活が気に入っていて、そのまま向こうの学校に通っているの。一番下の、9歳の娘は今パリで私たちと一緒に暮らしているけれど、3人の生活はまったく新しいものになっているわ。

長年のパートナー、3人の子供たちの父親であり、映画監督、俳優のイヴァン・アタルとの関係は?

彼とは18歳の頃に知り合って、1年後に付き合った。その後、私は父を亡くした時、ひどい状態だったけど、それに我慢強く寄り添ってくれたの。一緒に仕事をして、同じプロジェクトに携わることで関係は深まったけれど、同時にプレッシャーも感じる。彼は厳しいから、ときどき私が十分なレベルに達していないんじゃないかと思うこともあるの。まだコンプレックスを克服できていないのよ!

ブノワ・ジャコ監督の新作映画『Suzanna Andler』(日本公開未定)に出演して感想は?

マルグリット・デュラスの小説をもとにした映画なんだけれど、本物の"沈黙の文学"というものがあった。そこには、"沈黙"が文字よりも雄弁に記されているの。誰かと一緒にいて心地よいというのは、沈黙が続いても気まずくならないということ。私は無口だから、たくさんの沈黙を体験したわ。ディナーでも人の話を聞くだけ。何も面白いことが言えないから。

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(c)marie claire/photos: Luna Conte / realization: Philomène Piégay / hair: Yoann Fernandez / make-up: Sandrine Cano Bock〈Artlist〉/ nail: Laura Forget〈Artlist〉/ assistant styling: Agathe Gire / assistant photos: Florent Redolfi / production: Zoé Martin / assistants: Ludovic Del Puerto, Alix Cantal