【5月8日 CNS】2024年4月に開催された第14回北京国際映画祭では、数多くの日本映画と映画人が集結し、映画の数と質が新たな高みに達した。

 20年近くの歴史を持つ日本映画週間は、「グローバルビジョン」のテーマイベントの一環として、同時に開催された。『不死身ラヴァーズ』『福田村事件』『白鍵と黒鍵の間』『愛にイナズマ』の4作の日本の新作映画がこの機会に中国で上映された。監督の松居大悟(Daigo Matsui)さん、森達也(Tatsuya Mori)さん、俳優の青木柚(Yuzu Aoki)さんが上映現場を訪れ、映画ファンとの交流を楽しんだ。

 日本映画週間の開幕夜に、日本駐中国大使館がレセプションを開催し、日中両国の映画関係者が深い対話を繰り広げた。金杉憲治(Kenji Kanasugi)駐中国日本国大使は、日本映画週間の開催は、映画を通じた日中の民間交流の促進のみならず、両国の相互理解を深める上でも大きな意味があると述べた。

 近年、日本映画は中国市場で顕著な成果を上げ、人気を博し続けている。2023年には、『すずめの戸締まり(Suzume)』と『SLAM DUNK(スラムダンク)』の2作のアニメ映画が中国の映画館で相次いで上映された。今年は、宮崎駿(Hayao Miyazaki)監督の新作『君たちはどう生きるか(The Boy and the Heron)』が中国で大ヒットし、興行収入は7億元(約150億円)を突破し、「清明節」(先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月4日)期間の中国映画市場でトップに輝いた。中国メディアによると、『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING(Digimon Adventure 02: The Beginning)』『SPY×FAMILY CODE: White』『ハウルの動く城(Howl's Moving Castle)』などのアニメ映画が、「労働節(メーデー)」期間中に上映される予定で、他にも多くの優れた日本映画が上映される予定だ。

 中国と日本は文化的背景が似ており、美的感覚や感情において共感を呼びやすい。東京国際映画祭の安藤裕康(Hiroyasu Ando)チェアマンは以前、中国や日本を含む東アジアの各国の文化は、独自の文化意識と美学意識を持つ一つの全体として、東アジア映画は独特の価値観を持っていると述べた。今回の北京映画祭での国内外の映画人の交流フォーラムでは、日中文化の相互理解の可能性は大きく、将来は国際映画祭の橋渡しと連携の役割をさらに発揮し、映画を媒介として両国の関連文化産業の交流を促進すべきだと訴えた。

 注目すべきは、現在、XRセクションが各国際映画祭の定番となっており、今回の北京映画祭のXR展示セクションには、日本からの3作品が含まれている。新しい映画形式として、中国はXRバーチャル撮影分野で強力なコスト・技術における優位性を持っている。従来の共同作成、導入、配給に加え、日々進化する映画業界の発展は、日中協力においてさらなる可能性を開くものとなっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News