【12月15日 AFP】欧州連合(EU)首脳会議でウクライナとの加盟交渉を開始することが決定した翌15日、これに反対し採決を棄権したハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相が、EUによる500億ユーロ(約7兆8000億円)規模のウクライナ支援を阻止した。

 EUはウクライナ政府に対し、今後4年かけて行う資金援助を計画している。だがオルバン氏が、その承認を拒否。同氏はSNSに「ウクライナへの追加支援に拒否権発動」と投稿した。 

 ハンガリー以外の26か国の首脳は来年初頭に開催される会議で議論を再開し、ウクライナが切実に求めている支援について合意を目指すとしている。

 オランダのマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相は「26か国で合意した。今のところハンガリーからの合意はないが、来年こそはと確信している」と述べた。

 ハンガリーはEU加盟国ながら、昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻開始後も、オルバン氏がロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と緊密な関係を維持している。

 EUは14日の首脳会議で、ウクライナとモルドバの加盟交渉を開始することで合意した。この採決の際、オルバン氏はハンガリー抜きで進めることに合意し退席。後にSNSに投稿した動画で「まったくばかげた、理不尽で誤った決定だ」と述べ、「他の26か国はこの決定を下すことに固執した」と批判した。(c)AFP/Max DELANY / Dave CLARK