【10月20 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は19日、五輪は「民族差別」の道具になり得ると主張し、国際オリンピック委員会(IOC)を非難した。

 プーチン氏は中部ペルミ(Perm)で開かれたスポーツフォーラムで、「近代IOCの一部の責任者のおかげで、五輪への招待は優秀なアスリートにとって無条件の権利ではなくある種の特権であり、それは競技の結果ではなく政治的ジェスチャーによって得られることが分かった」と発言し、「五輪そのものが、政治とは無関係な人々に対する政治的圧力や、重大な人種・民族差別の道具として利用される可能性がある」と述べた。

 さらには「一部のスポーツ関係者は、誰が五輪憲章の対象で誰がそうでないか決める権利を自らに勝手に与えている」と指摘。既存の組織が国際スポーツを「独占」しているとし、それらが新たな統括団体やリーグに取って代わられることになるだろうと持論を展開した。

 IOCは現在、ウクライナへ侵攻しているロシアと同盟国ベラルーシの2024年パリ五輪出場可否について、最終判断を保留にしている。前週には、ロシアが占領しているウクライナの一部地域のスポーツ組織を一方的に編入したとして、ロシア五輪委員会(ROC)に資格停止処分を科した。(c)AFP