【9月22日 CNS】デジタル技術が急速に発展し、伝統的な産業との融合が進むにつれて、新しい産業が出現し、労働者にも新たなスキルが求められている。「デジタル職人」を育成し、活用していくことは産業の発展にとって急務となっている。

 世界の製造業は技術革命と産業変革の新ラウンドに突入している。中国の製造業も「インテリジェント製造業」へのアップグレードを目指す段階にある。

 国際労働機関(ILO)は2018年に、デジタル時代の質の高い技能人材は「四つの能力」(熟練した操作技能、革新的思考、優れた職業倫理、優れた勤労倫理)を備えるべきだと提唱した。彼らの特徴は伝統的な職人とは明らかに異なっている。

 中国の産業チェーンのハイエンド分野、インテリジェント開発などには足りない点が多くあり、製造プロセス全体のデジタル化を達成できない分野がまだ多くある。それらの問題を解決するために「デジタル職人」を育成する必要があるのだ。

 理由を整理すると以下の3点にまとめられる。第一に、「デジタル職人」の育成は、中国が目指す「製造強国」の建設を加速させるために重要である。第二に、「デジタル職人」の育成は、新たな産業労働者を育成するために重要な取り組みである。第三に、「デジタル職人」の育成は、企業の競争力を高める有効な手段である。

 しかし、中国のデジタル職人はまだまだ不足している。2020年段階で、不足していた熟練人材は約2億7000万人に達している。特に深刻なのがデジタル人材であり、約1100万人が不足していた。

 問題は「デジタル職人」育成方法がまだ十分に調整できていないことだ。

「デジタル職人」育成のための学校と企業の連携も不足している。職業専門学校などはすでに「デジタル職人」の育成を柱にしているが、ある種のミスマッチが生じており、企業のニーズには見合った人材が供給できていない。

 こうした問題を解決するためには、「デジタル職人」と仕事の双方向の正確なマッチングが実現するよう務め、育成プラットフォームを充実させていく必要がある。

 各地の労働組合が率先し、大学や研究機関にも協力してもらう必要があるだろう。

 一方で、中国の伝統的な徒弟制度には、生産と教育の一体化、仕事と学習の重ね合わせなど新たな意義づけができそうだ。

 草の根の労働組合の役割を発揮して、企業が社会的責任を果たすよう監督指導していく必要もあるだろう。

 技能を基準にした昇進評価制度を構築し、またスキルと給与を連動させ、革新的な取り組みや変革・昇進の成果に社会が報いることも大切だろう。(c)CNS/JCM/AFPBB News