【8月13日 AFP】(更新)米ハワイ州マウイ(Maui)島当局は12日、同島を襲った大規模な山火事の犠牲者が89人になったと発表した。ジョシュ・グリーン(Josh Green)知事は、死者がさらに増えるのとの見方を示している。

 連邦緊急事態管理庁(FEMA)によると、ハワイ王国時代の古都ラハイナ(Lahaina)では2200棟の建物が損壊もしくは全壊した。被害総額は55億ドル(約8000億円)に上るとみられ、1400人以上が避難所に身を寄せている。

 マウイ島の警察当局は、捜索活動は被災地の一部地域でしかまだ実施できておらず、また身元が特定できたのは犠牲者89人のうち2人だけだと説明した。

 州議会のジル・トクダ(Jill Tokuda)氏はCNNに、「われわれは火災の威力と延焼の速度を過小評価していた」と語った。

 FEMA職員で、長年ボランティアで消防士をしているというジェレミー・グリーンバーグ(Jeremy Greenberg)氏はMSNBCに対し、ハワイで起きた山火事は制御が「極めて難しい」種類のものだったと説明。「20秒もしくはそれより短い時間で、アメリカンフットボールのフィールドの縦の長さと同程度の距離を進む」と話した。

 山火事では停電も発生したため、携帯電話で緊急警報を受け取れなかった住民も多かった。トクダ議員は、こうした事態に関しては当局が備えておくべきだったと述べた。

 グリーンバーグ氏は、FEMAおよび関連機関は「ハワイ州が必要としているあらゆる資源を提供」しているとし、水源が汚染された地区には水を届けていると説明した。同氏によると、FEMAは被災地に150人超の職員を派遣している。(c)AFP/Paula RAMON