【2月21日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は20日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのを受けて緊急会合を開いた。米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド(Linda Thomas-Greenfield)国連大使は、この問題をめぐり安保理に「沈黙を強いている」として中国とロシアを暗に批判。傍観は「危険」だと警告した。

 北朝鮮は18日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を実施。20日にも2発の短距離弾道ミサイルを発射した。

 トーマスグリーンフィールド大使は「北朝鮮は昨年、異例のペースでミサイルを発射し、数々の安保理決議違反を犯したにもかかわらず、常任理事国2国によってわれわれは沈黙を強いられている」とし、昨年5月に北朝鮮への制裁強化決議案が中ロ両国の拒否権行使で否決されたことに言及。

 安保理の「傍観は恥ずべきである以上に危険だ」と語り、「無策を繰り返せば北朝鮮をつけ上がらせることになる」と警告した。

 その上で、一部の常任理事国が決議案の採択を阻止し続けたとしても、米国としては今後も北朝鮮のミサイル発射に対する非難声明の採択を提案していくと述べた。

 日本の石兼公博(Ishikane Kimihiro)国連大使も「さらなる挑発を恐れて沈黙を続ければルールを破る側を助長させるだけだ」と主張した。(c)AFP