【11月10日 CNS】中国で婚活支援サイトを通じた「クラウドお見合い」の人気が高まっている。異性との交流が苦手な現代の若者たちが「インターネット仲人」のサポートを受け、交際相手や結婚相手を見つけている。

「クラウドお見合い」は、参加者が希望する条件に基づいた相手をビッグデータから抽出。「インターネット仲人」が設置する専用オンラインチャットルームで、男女が会話をする仕組み。連絡先の交換は当事者の希望に基づき、プライバシーとセキュリティーを確保している。

 独身男性の王雲(Wang yun、仮名)さんは婚活支援サイト大手「百合佳縁(Baihe Jiayuan)」に登録し、「クラウドお見合い」を体験した。スマートフォンでアプリをクリックすると、「インターネット仲人」の指示を受けて「バーチャルお見合い部屋」に入る。ライブ配信カメラを通して、王さんは相手の女性と対面した。「最初は何を話せばいいか分からなくて、仲人さんが質問を投げ続け『ウオームアップ』してくれたおかげで、徐々に雰囲気が良くなりました」。3人だけの空間で、「プライバシーも保護されている」と王さんは安心感があったという。

 中国DT財経(CBNData)と動画共有サイト・ビリビリ動画(bilibili)が8月に発表した「2021年中国青年恋愛・交際白書」によると、若者が結婚しない理由は「周囲に適切なパートナーがいない」「つきあい方が分からない」「仕事や勉強が忙しすぎる」が多いという。このため、マッチングアプリを利用する若者が増えており、特にコミュニケーションや表現力が苦手な人に「インターネット仲人」がサポートする「クラウドお見合い」が人気となっている。

 マッチングアプリの「陌陌(Momo)」「探探(Tantan)」「soul」が活況を呈しているほか、動画投稿プラットフォームの「抖音(Douyin)」「快手(Kuaishou)」、中国版LINE「微信(ウィーチャット、WeChat)」もお見合いチャンネルを設立。2020年の新型コロナウイルス拡大で、従来の結婚相談紹介所も「クラウドお見合い」に参入し、ポストコロナ時代のパートナー作りの新しい方法となっている。

 IT大手「阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)」によると、2017年時点で中国の独身の若者は2000万人を超えた。四川省(Sichuan)青少年研究協会の管雷(Guan Lei)事務局長は「コロナ禍の期間、生と死に直面した若者は家族の絆の重要性を再認識し、『クラウドお見合い』の人気を促進した」と分析。同時に「乱立する『クラウドお見合い』のプラットフォームの評価システムを確立し、違法な結婚相談や結婚詐欺を防ぐ対策も必要だ」と指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News