【12月12日 CNS】「中国人は鍋料理がどれほど好きか?」――微博(ウェイボー、Weibo)でそんな話題がネットユーザーの論議を巻き起こしている。鍋好きな中国人は、自身の胃を満たすだけでなく、産業を活性化させているのだ。

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 企業情報のデータベースである「天眼査」によると、現在、中国で経営範囲の中に「鍋」を含む企業は12万社に上る。2017年には新規増加企業数がピークに達し、今年は11月12日の時点で、新たに増えた鍋料理企業は1万2000軒に達している。地域別で見ると、四川省(Sichuan)の鍋料理企業数が首位で3万5000軒、全国の約3割を占める。

 ある機構の予測によると、2017年から2022年の間、鍋料理市場は毎年10.2%の成長率を継続させ、2022年にはその売り上げは7077億元(約11兆円)に達する。

 鍋料理が好きな中国人は、一部の企業を上場させている。2018年9月、著名な鍋料理ブランド「海底撈(Haidilao)」は「呷哺呷哺(Xiabu Xiabu)」、「頤海国際(Yihai)」に続き、香港証券取引所で上場を果たした。

 2015年から2018年の間、「海底撈」は、57億5700万元(約890億円)、78億800万元(約1220億円)、106億3700万元(約1650億円)、169億6900万元(約2630億円)と順調に売り上げを伸ばし、年平均成長率CAGRは41.32%に達する。

 2019年に入ると「海底撈」は引き続き高速成長を続ける。データによると、2019年上半期の売り上げは116億9500万元(約1810億円)で前年同期比59.3%増、純利益は9億1100万元(約141億円)で前年同期比41%増を記録した。

「呷哺呷哺」と「頤海国際」の業績も素晴らしい。データによると2019年上半期の「呷哺呷哺」と「頤海国際」の売り上げはそれぞれ27億1300万元(約420億円)、16億5600万元(約260億円)、前年同期比で27.40%増と64.92%増、純利益1億6400万元(約25億円)と2億7000万元(約42億円)だった。

 万聯証券(Wanlian Securities)の証券アナリストの陳雯(Chen Wen)氏によると、「飲食業の上場会社は少ないので、サプライチェーンの改善と管理能力の向上に伴い、飲食業も必然的にブランド化とチェーン化の方向に進む。将来的にはより多くの優秀な飲食業企業が上場する可能性がある。市場の細分化の中で、鍋料理は現状では規模が最も大きく、最も成長性のあるカテゴリーとなるだろう」という。(c)CNS/JCM/AFPBB News