【5月7日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)は6日、23-24シーズンの最優秀新人賞に、サンアントニオ・スパーズ(San Antonio Spurs)のビクター・ウェンバンヤマ(Victor Wembanyama)を選出したと発表した。フランス人選手の受賞は史上初となる。

 224センチの長身を誇る20歳のビッグマンで、昨年のNBAドラフトで全体1位指名を受けたウェンバンヤマは、今季1試合平均21.4得点、10.6リウバウンド、3.9アシスト、リーグ最多3.6ブロックを記録する素晴らしいデビューシーズンを飾った。

 99人の投票者全員から1位票を獲得しての満票選出は、2016年のカール・アンソニー・タウンズ(Karl-Anthony Towns)以来となる。

 ウェンバンヤマは米放送局TNTに対し、「自分は常に、最大限にチームが最高の状態でいること、そしてシーズンが進むにつれて向上していくことを目指していた」「そうするためには、自分がコートで個の力を発揮し、圧倒していく必要があると分かっていたから、自分にとってこれはとてつもなくすごいことであり、大きなことだ」とし、「それは常に重要なことだった。こうして正式な形で認められてうれしい」と喜んだ。

 現在行われているプレーオフで、ウエスタンカンファレンス第1シードにつけるオクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)のチェット・ホルムグレン(Chet Holmgren)が2位、シャーロット・ホーネッツ(Charlotte Hornets)のブランドン・ミラー(Brandon Miller)が3位に入った。

 今季のスパーズがウエストではワースト2位の22勝60敗に沈んだ中、ウェンバンヤマは驚異の活躍で一世代に一人の逸材という前評判通りの活躍を見せた。

 昨年11月のフェニックス・サンズ(Phoenix Suns)戦では、当時19歳にして38得点、10リウバウンド、2ブロックをマークしてチームの勝利に貢献。10代での1試合35得点、10リウバウンド、2ブロック以上は、レブロン・ジェームズ(LeBron James)とケビン・デュラント(Kevin Durant)に続く史上3人目の快挙となった。

 今年1月のデトロイト・ピストンズ(Detroit Pistons)戦で自身初のトリプルダブルを記録した後、2月のトロント・ラプターズ(Toronto Raptors)戦でも27得点、14リバウンド、10ブロックで2度目のトルプルダブルを達成。プレー時間30分以内での20得点、10ブロック以上は史上初、ブロックを含むトルプルダブルは2021年以来初となった。

 同月にはまた、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)戦で27得点、10リバウンド、8アシスト、5スティール、5ブロックを稼ぎ、スタッツ5項目で5以上の数字を挙げる「ファイブ・ファイブズ」の史上最年少記録を打ち立てた。

 さらに3月のインディアナ・ペイサーズ(Indiana Pacers)戦では31得点、12リバウンド、6アシスト、6ブロック、1スティールをマーク。1試合での30得点、10リバウンド、5アシスト、5ブロック以上は、過去にスパーズのツインタワーとして知られるティム・ダンカン(Tim Duncan)とデヴィッド・ロビンソン(David Robinson)の2人しか成し遂げていない。

 ウェンビー(Wemby)の愛称で呼ばれるウェンバンヤマは、同月のニューヨーク・ニックス(New York Knicks)戦で、キャリアハイの40得点、20リウバウンドを記録した。(c)AFP