【10月21日 Xinhua News】10月、秋たけなわの頃、杭州の街はキンモクセイの香りに包まれる。生活の情緒に富み、美的センスを持つ杭州の人々は、キンモクセイと特産の龍井茶を自然に結び付けたのだろう。このように、「花の香りとお茶の香り」を併せ持つ桂花龍井茶(「桂花」はキンモクセイ、およびモクセイ属全般の花を指す)は、秋に杭州の人々の間で最も人気のある「旬のお茶」となっている。

 中国浙江省の西湖龍井原産地1級保護区の龍井村では、毎年この時期になると、村人たちが自分の家のキンモクセイの枝木を竹竿で軽くたたいて、落ちてきた花を集め、桂花龍井茶の香りづけ作業を始める。

龍井村の村人 徐身良(じょ・しんりょう)さん

 桂花龍井は、まずキンモクセイを枝木から集める。鍋に茶葉を入れて改めて煎った後、キンモクセイを混ぜて茶葉を包む。包んだ後、生石灰で水分を吸収・乾燥させる。通常、1週間で出来上がる。

 【解説】煎るために使う茶葉は春茶でなければならない。それに加えて、キンモクセイにもこだわりがある。

龍井村の村人 徐身良さん

 キンモクセイは花のつぼみでなければならない。開花しているのは使えない。開花してしまったキンモクセイはもう香りがない。

 【解説】徐さんによると、現在、桂花龍井茶を好んで飲む顧客は多いという。味わい尽くせないキンモクセイの甘い香り。村人は香り付けした桂花龍井茶によって、茶葉の直売販路も拡大させた。(c)Xinhua News/AFPBB News