■説得を聞かず、司法に拘留される

 北京市の物価水準では、父親が1か月1600元(約2万6800円)では十分で静かな余生を送ることは難しい。父親は、海淀裁判所に何回も足を運び実行を求めて申請したが、劉被告の態度はその時だけ分かったような素振りを見せるだけで、実際に1600元を支払うことはなかった。

 海淀法院の裁判官は法的に、そして人情も合わせ、何度も繰り返し扶養義務の必要性について説明をしたが、劉被告は自分の体の具合が悪く父親に金をやることはできないと、かたくなに拒んだ。

「あなたのお父さんも体の調子は良くない。どうやって生きろというのだ?」と問いかける裁判官に対し、劉被告は「それでも金は出せない」とつっぱる。

 500万元(約8400万円)の不動産を売却した金の使途についての劉被告の説明は、「父の借金100万元(約1700万円)とその金利30万元(約500万円)を返済。それから前夫の借金130万元(約2200万円)を返し、母の生前の未払い医療費11万元(約180万円)を支払い、8万元(約130万円)は社会保険の未納分を補い、残りの100万元(約1700万円)は房山(Fangsha)トウ店鎮(Doudian)で不動産を買った」

 支出した金のうち、どこからどこまでが両親のために支払ったものかを問わず、事実は、劉被告が不動産の売却金を自分で支配し、裁判所の扶養命令を拒否したということだ。海淀法院の執行局は法に基づき、劉被告を15日間の拘留処分とした。(c)東方新報/AFPBB News