【7月15日 東方新報】「私は病気がちで治療するにはお金が必要だ。子どももまだ学校に行っているから、わずか1000元(約1万6800円)の年金で生活できない。体が元気だったら働いて稼げばよいが、どうにもならない」と拘留された劉被告(51)は息巻く。

 一人っ子の劉被告は亡くなった母親の不動産を相続後に売却し、500万元(約8400万円)を得たにもかかわらず、父親の毎月の扶養費1600元(約2万6800円)と家賃負担を拒否し、北京市海淀区法院から司法拘留された。

■遺産もらっても扶養費払わぬ

 海淀区法院執行局で、劉被告は涙交じりに、父親がいかに自分のことを理解してくれないか、苦境を魏海涛裁判官に訴えた。ただ、劉被告は自分の家を買った金は、両親の不動産を売却して得られたものであることを忘れたようだ。

 劉被告の両親は1986年に海淀区の住宅を購入、所有は劉被告の母親名義とした。5年前に母親が他界すると、劉被告の父親は妻名義の不動産を娘の劉被告に譲る手続を行った。

 その後、劉被告は相続した不動産を500万元で売却。両親の借金の連帯責任者として両親に代わり100万元(約1700万円)の借金と金利を負担したほか、残りの金で前夫の借金を返済し、別の不動産を1軒購入。劉被告は自分も人の子なのに、父親を扶養する義務を忘れたようだ。

 そこで、劉被告の父親は、扶養費と医療費の負担と住居の提供を求め、自分の娘を裁判所に訴えた。劉被告は、父の医療費の負担と同居することに同意。しかし、劉被告の父親は、生活習慣が異なることを理由に、同居を拒んだ。

 こうした状況を踏まえ、海淀法院は法に基いて劉被告が判決の発効日以降毎月、父親に扶養費600元(約1万円)と賃貸料1000元(約1万6800円)と合わせ、父親の医療費の未払い分を負担するよう命じた。