e代喝のうたい文句は、「飲み会を制する利器」。自分の位置情報をもとに、「代行人を探す」という項目をタップすると、登録中の「代行人」情報が表示される。位置情報のほか、飲めるお酒の種類、お酒の強さなど「自己アピール」も細かく紹介されているので、利用者がニーズに合わせて選べるようになっていた。また、「私も飲める」という項目からは、自分を「代行人」として登録することもできる。

 しかし同時に、疑念も多く寄せられた。代行者の健康や安全上の問題に直面した場合に、アプリ運営側は相応の補償ができるのか、などといったものだ。法的トラブルが発生した場合、責任問題などの判断基準も難しい。

 e代喝のスタッフによると、このサービスはあくまでも利用者と代行者をつなぐための交流ツールでしかなく、必要とする利用者に便利さを提供することが目的だとしている。両者がマッチングしたら、あとは直接連絡を取って具体的な内容を話し合ってもらう。「もしトラブルが発生した場合は、すべて利用者の自己責任として解決してもらう。サイトの運営側は一切責任を負いません」としている。

 法律の専門家は、飲酒代行サービスそのものが公序良俗に反していると指摘する。羅銘君(Luo Mingjun)弁護士は、「飲酒代行は、正常なビジネス行為ではない。合法性や社会の認知度からみても、法的な根拠がない」と話す。

 e代喝運営責任者、張東鵬(Zhang Dongpeng)氏は取材に対し、飲酒代行サービスを停止したことを明らかにしたうえで、「もう答える必要はない。サービスが大きな意義を持つものではないと考えているので、しばらくは再開を検討することもない」と述べた。取材後にアプリを開くと、飲酒代行業務はひっそりと消えていた。記者は何度もログインを試みたが、サイトはすでに開かなかった。(c)東方新報/AFPBB News