【8月19日 CNS】中国版ツイッター(Twitter)の「新浪微博(Sina Weibo)」に、「八達嶺長城(Badaling Great Wall)に刻字、大量の英語」という見出しのたくさんの写真がアップロードされ、物議を醸している。八達嶺長城は、万里の長城の関所のひとつとして人気の観光スポット。八達嶺長城側は、現在100人以上の警備部隊や文化産業管理員が毎日長城を巡回し、観光客が落書きなどのいたずらをしないように促しているが、夏休み期間中は特に観光客が増えて監視の目が届きにくく、もし他の観光客のそうした行為を見かけた場合は、近くの警備員やスタッフに声をかけるか、電話で連絡をするよう呼びかけた。

 新浪微博にアップロードされた写真には、八達嶺長城のれんがに大量の文字が刻まれており、中国語のほかに、少量のハングル文字と大量の英語が見える。一部の英字は、長城の入り口の目立つところに彫られていた。

 写真を見た多くのネットユーザーは、こういった行為は「失礼」「マナーが悪い」「処罰すべきだ」などと批判している。また、「英文やハングル文字で警告の看板を立てるべきだ」といった意見もあった。

 長城に刻字される例は、「慕田峪長城(Mutianyu Great Wall)」でも起こっており、やはり英語の刻字が少なくない。

 昨年10月には、北京(Beijing)で行われたNBAの試合に参加するために中国を訪れていた、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)のボビー・ブラウン(Bobby Brown)選手が、「慕田峪長城」へ観光で訪れた際にレンガに自分の名前と背番号を彫った写真を新浪微博上に自分でアップロードした。それを見た中国のネットユーザーは、文化遺産を傷つけたとしてブラウン選手を批判。ブラウン選手本人は、すぐに新浪微博上で謝罪した。

 2003年に公布された『北京市長城保護管理方法』によれば、「万里の長城(Great Wall)」を破壊したり、落書きや字を刻んだりした者に対してには、200元(約3270円)以上500元(約8200円)以下の罰金が科される。しかし、処罰が軽すぎて、拘束力がほとんどないという意見も少なくない。 

 例えばエジプトでは、神殿や像、周辺の建造物を傷つけた者は、その被害状況に応じ、最高10万ドル(約1090万円)の罰金と無期懲役などの処罰が科される。

 メキシコでは、違法な発掘や、文化遺産を破壊した者に対しては、罰金の他に3年以上12年以下の懲役が科されることもある。

 日本では、国指定重要文化財などに対して落書きなどをした者に対し、5年以下の懲役か禁錮、または30万円以下の罰金が科される。(c)CNS/JCM/AFPBB News