■秘密は自分だけのもの…なのか?

 流行とあれば、民間業者が放ってはおかない。ベルリン市内には現在、観光客向けの有料ツアーを催行する会社が複数存在する。

 中には、旧西ベルリン(West Berlin)の木々の生い茂った丘の上にある、冷戦時代に使われ今では落書きだらけになった米国家安全保障局(NSA)の聴音哨を訪れるというツアーもある。

 第2次世界大戦(World War II)中に出たがれきを積んで造られたという、「悪魔の丘」を意味するトイフェルスベルク(Teufelsberg)の頂には、巨大なゴルフボールのようなドームを冠した建物があり、長年野外パーティーの開催地になってきていた。

 旅行会社「ゴットゥノウ(Go2know)」の共同創設者アンドレアス・ベットガー(Andreas Boettger)さんは、企画ツアーなら「許可を得て安全」に立ち入りが可能で、誰もが「こういった場所の魅力を感じる」ことができると話している。

 こうした企画についてフェイヒーさんは、自分で無料で訪れられる場所にもかかわらず、料金を徴収して案内する商業ツアーは好みではないと話す。「それでもツアー会社にお金を払いたいなら、それはその人たちの勝手だ」

 フェイヒーさん自身も、自ら発見した穴場への行き方やその周辺を詳述するという、一部の愛好家がタブーとみなす行為に及んでいるとして周囲から批判を受けてきたという。

「所在地を公開して物議を醸した。秘密は自分だけのものとしてしまっておきたいという人もいる」と自らの行為について話したが、「でもこういう場所はごく短い期間しか存続しないのだから、多くに開放すべきだと私は思う」とその背景にある考えを明らかにした。 (c)AFP/Damien STROKA