【4月20日 AFP】ロシアのビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相は19日、2018年のサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のスポンサー集めが難航していると報じられたことについて、国際サッカー連盟(FIFA)のイメージ低下が原因だとの見解を示した。

 英経済紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)の報道によると、W杯に向けた新規スポンサー開拓でFIFAが苦戦を強いられ、なかでもロシア企業が「最も動きが鈍い」としている。

 これに対してムトコ副首相は、インタファクス(Interfax)通信で、苦戦は「FIFAが受けた甚大な打撃と関係がある。FIFAは汚職などで批判され、ぼろぼろの状態だ。イメージの低下はすさまじい」と述べた。

 さらにムトコ副首相は、FIFAの苦境をフィナンシャル・タイムズが「間違って捉えている」と指摘し、「FIFAが難しい状況に陥っているのは、W杯に限った話ではない。全体として苦しんでいるのだ」と続けた。

 FIFAはジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)前会長をはじめ、多数の幹部が職を追われた2015年の汚職スキャンダル以来、新しく大手スポンサーを見つけられずにいる。

 2014年の協賛企業では、これまでにソニー(SONY)とエミレーツ航空(Emirates Airline)がトップスポンサーを降り、代わりがなかなか見つからなかった。

 FIFAはまた、今年4月に2016年の会計が大幅な赤字になることを発表し、貯蓄の大半を1年で食いつぶしたことを明かしていた。

 ロシアサッカー連合(RFS)の会長で、FIFAの理事も務めるムトコ副首相は3月、「政治的中立と政治介入の防止」の原則から、副首相の立場でFIFAの理事を務めることはできないとして、理事選への再出馬を認めないと通達されている。

 ロシアW杯は2018年夏、モスクワ(Moscow)やサンクトペテルブルク(St. Petersburg)、ソチ(Sochi)など11の都市で開催される。(c)AFP