【3月29日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア最終予選は28日、各地で行われ、グループAのイランがメフディ・タレミ(Mehdi Taremi)のゴールで1-0で勝利し、中国のW杯出場の可能性に打撃を与えた一方で、グループBではオーストラリアがアラブ首長国連邦(UAE)との大一番を2-0で制した。

 前節ホームで韓国を1-0で破り、W杯出場への希望を膨らませていたマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)監督の率いる中国は、ハーフタイム明け直後の後半1分、イランのタレミに決勝点を奪われた。

 あふれる資金や人材を武器に、サッカー強国に生まれ変わることを目指す中国は、まずはこの予選で史上2回目となるW杯本大会出場を達成したいところだったが、これで残るシリア戦、ウズベキスタン戦、カタール戦で全勝しなければ予選突破は難しい状況となった。

 同じくグループAの韓国は、中国でプレーする洪正好(Jeong-Ho Hong、ホン・ジョンホ)が開始4分に挙げた1点を守り切って1-0でシリアに勝利し、中国戦の敗戦から立ち直った。ウズベキスタンはホームでカタールに1-0で勝利している。

 この結果、グループAはFIFAランクでアジア最高位のイランが首位に立ち、これを勝ち点4差で韓国、同5差でW杯初出場を目指すウズベキスタンが追っている。

 前節ホームでイランに痛恨の敗戦を喫し、奇跡を起こすためにはどうしても勝利が必要だったカタールだが、オディル・アフメドフ(Odil Ahmedov)の直接FKによる1点に沈んだ。カタールはこれで7試合を終えて5敗。勝ち点わずか4ポイントのグループ最下位を抜け出せず、W杯出場は絶望的となった。

■豪が決戦制す、敗れたUAEは監督が辞任

 どうしても勝利が必要な状況で、ホームのシドニー(Sydney)にUAEを迎えたオーストラリアは、両チーム合わせて42個のファウルが記録された試合で、ジャクソン・アーヴァイン(Jackson Irvine)とマシュー・レッキー(Mathew Leckie)のゴールで勝利を収めた。

 それでも、同日の試合で上位の日本とサウジアラビアがどちらも勝利したため、オーストラリアはグループ3位にとどまり、W杯に確実に出場できる2位以内に浮上することはできなかった。

 日本は4-0でタイを退けた。サウジアラビアは後半8分にヤヒヤ・アッシェフリ(Yahya al-Shehri)が決勝点を挙げ、1-0でイラクに勝利した。この結果、グループBでは日本とサウジアラビアが勝ち点を16に伸ばし、これを同13のオーストラリアが追っている。

 2019年のアジアカップ(2019 AFC Asian Cup)の開催国であるUAEは、今回の敗戦が重圧の高まっていたマフディ・アリ(Mahdi Ali)監督にとっては決定打となり、5年間チームの指揮を執った監督は試合後に辞任を表明している。(c)AFP