【5月8日 AFP】ウクライナ保安局(SBU)は7日、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領ら要人の暗殺を企てたとして、国家警護局の大佐2人を逮捕したと発表した。2人はロシア連邦保安局(FSB)の監督下にあったとしている。

 SBUによると、FSBはゼレンスキー氏の警護情報にアクセスできる協力者を特定するための工作員ネットワークを構築。7日のウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の通算5期目就任までに、ゼレンスキー氏を人質に取り、殺害させる計画だった。

 計画ではSBUのワシル・マリューク(Vasyl Maliuk)長官や国防省情報総局(GUR)のキリロ・ブダノフ(Kyrylo Budanov)局長らも殺害の対象となっていた。

 SBUは「モスクワのFSBの監督下にあったネットワークには国家警護局の大佐2人が属しており、機密情報をロシアに流していた」と説明。マリューク長官は、「このテロ攻撃はプーチン就任への贈り物となるはずだったが、FSBは失敗した」と述べた。

 ウクライナの司法筋はAFPに対し、容疑者2人は「数日前」に拘束されたと語った。2人は国家反逆罪と「テロ行為」準備の罪で終身刑が科される可能性がある。

 SBUが公開した写真には、夜間に覆面の隊員が数人の容疑者を拘束する様子が捉えられている。また動画では、顔にぼかしが入った男が、自身の任務は大統領官邸の警護状況を確かめ、おそらくは大統領が夜の演説を収録する機会を狙って身柄を拘束する協力者を見つけることだったと話している。(c)AFP/Stanislav DOSHCHITSYN