【3月28日 AFP】サッカー日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ(Vahid Halilhodzic)監督は、28日に行われる2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア最終予選のタイ戦に向けて、「われわれは日本サッカー全体の将来を抱えている」と選手たちを鼓舞した。

 そこには何の重圧もない。ボスニア・ヘルツェゴビナ出身でフランス国籍を持つハリルホジッチ監督は27日、記者会見の席に臨み、勢いを増している日本代表に対して、タイは気の緩みを突いてくるはずだとして自信過剰にならないように注意を促した。

 日本が前週のアラブ首長国連邦(UAE)戦を2-0で制して6大会連続のW杯出場に近づくなか、闘将として知られるハリルホジッチ監督は、「タイを過小評価してはならない。すべての試合を見ているが、すごく良いプレーをしている」と語り、チームが地に足をつけていられるようにくぎを刺した。

 主将の長谷部誠(Makoto Hasebe)を膝のけがで欠いているサムライブルーだが、最終予選残り4試合の現時点でグループB首位のサウジアラビアと勝ち点13で並んでおり、得失点差で2位につけている。タイ戦でも圧勝すると期待されているなか、ハリルホジッチ監督は、「UAEに勝って優位に立った。しかし、タイ戦で負けたら何の意味もなくなる」と気を引き締めていた。

「名声、威厳のある戦いになる」と軽快な口調で語ったハリルホジッチ監督率いる日本は、アジアカップ(2015 AFC Asian Cup)王者で現在グループ3位に沈んでいるオーストラリアを上回り、自動的にW杯に出場できるグループ2位以上の確保を目指している。

 64歳のハリルホジッチ監督はまた、「日本サッカー全体の将来も抱えている。そのためにも戦わなければならない」とすると、「タイは簡単に勝てる相手だと考えるかもしれないが、そうではない。本気をみせる必要に迫られるだろう」と語った。

 MF今野泰幸(Yasuyuki Konno)とFW大迫勇也(Yuya Osako)がけがで離脱するというさらなる痛手を被り、戦力が手薄になるなかでハリルホジッチ監督は、「1人で局面を打開して勝たせる選手はいない。ドリブルでディフェンダー5人を突破するような選手もいない。しかし、モチベーションがなくなれば、困ったことになる」とすると、「難しい状況だが、団結して前進できるかはチーム次第だ」と話した。(c)AFP