中性的なファッションの先駆者といえば、「コム デ ギャルソン」のデザイナー、川久保玲(Rei Kawakubo)だ。この春、米メトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)で川久保の作品が特別展示される。存命のデザイナーをテーマにした展示会は、女性にタキシードジャケットとパンツを着せた伝説のデザイナー、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)展が開催された1983年以来だ。

 ニューヨーク(New York)のジャパン・ソサエティー(Japan Society)は現在、「第三のジェンダー:浮世絵に描かれた若衆」と題した展覧会を開催し、日本の江戸時代の性にまつわる複雑なルールに光を当てている。若衆とは男性と女性の両方から性の対象とされた美少年のことで、江戸時代の「第三のジェンダー」であったと言われる。

 17/18年秋冬「アマゾン ファッション・ウィーク 東京」では「ネーム(Name. )」の新作で見られた長めのシャツやガウンなど、男性がパンツの上からスカートを履いているようなスタイルが間違いなくトレンドだった。

「アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)」は21世紀の男性の装いにスーツはふさわしくないと主張する韓国人デザイナーのチャヌ(Chanu Lee)が手掛けるブランド。彼は男性モデルたちに、タイトなパンツの上にシャツワンピースのような長いドレスシャツを着せた。

「男性と女性の性差を見せないようにした」と、チャヌは言う。「マスクもしかりだ」と語ったチャヌは、すべてのモデルにファスナー付きの黒い革のマスクを着用させて顔の大半を覆い隠していた。(c)AFP/Jennie MATTHEW