【9月9日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)は8日、女子シングルス準決勝が行われ、大会第2シードのアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)がカロリーネ・ボズニアツキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)を6-4、6-3で下して決勝進出を決め、世界ランキング1位浮上確定に花を添えた。

 28歳のケルバーは、今年1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)での優勝に加えて、7月のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)でも準優勝している。今日の勝利により、ドイツ人女子選手としては1996年のシュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏以来となる全米ファイナリストとなった。

 もしケルバーが決勝でカロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)を破って全米オープン覇者となれば、過去に同大会を制したグラフ氏の足跡をたどることになる。女子ランキング1位を獲得した独人選手は、これまでにグラフ氏しかいない。プリスコバは同日行われたもう一方の準決勝でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)に6-2、7-6(7-5)で勝利し、10日に行われる決勝に駒を進めている。

 今大会、1度もセットを落としていないケルバーは、「決勝に進出して、かつ世界1位になれるなんて信じられない。素晴らしい1日になった」と喜んだ。

 プリスコバとの対戦成績を4勝3敗と勝ち越しているケルバーだが、先月行われたウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2016)での直近の対戦では黒星を喫している。

 セレーナの敗戦で世界ランキング1位になることが確定して迎えたこの一戦で、ケルバーは過去2度全米の決勝を戦ったボズニアツキに対し序盤から飛ばした。試合開始からわずか15分、ボズニアツキに5ポイントしか許さず2度のブレークに成功し、4-0と先行。第5ゲームでも2本のブレークポイントを迎えたが、ここはボズニアツキが何とか耐えて踏みとどまった。

 元世界ランキング1位のボズニアツキは、直後のチェンジエンドで持参したノートを読み返して反撃を開始すると、ケルバーに1つブレークを返して、ゲームカウントを2-4とした。

 3-5で迎えた第9ゲームでボズニアツキはケルバーのセットポイントを2本しのいだが、直後の第10ゲームでケルバーがキープに成功し、第1セットを先取した。

 第2セットに入ってもボズニアツキは、第3ゲームで27回に及んだラリーを制してキープに成功するまでは、先に0-2とケルバーにリードを許すなど、精彩を欠く展開となった。

 一方、容赦なく攻め立てるケルバーはこのセットも4-1とリードするも、サービングフォーザマッチで迎えた第8ゲームではラブゲームでブレークを許した。しかし、直後のボズニアツキのサービスゲームでこの試合5回目のブレークを奪い、見事今季3度目のグランドスラム決勝進出を果たした。

 今季は右足首のけがの影響で約3か月間戦列から離れ、世界ランク74位となっていたボズニアツキは、第2の家を構える米ニューヨーク(New York)で自身通算5度目となる準決勝進出を果たした結果、トップ30に復帰することが確定した。(c)AFP/Dave JAMES