【7月31日 AFP】ロシアの競泳選手、ウラジーミル・モロゾフ(Vladimir Morozov)とニキータ・ロビンツェフ(Nikita Lobintsev)が30日、リオデジャネイロ五輪への出場を禁じた国際オリンピック委員会(IOC)の制裁に対抗し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した。これを受けてCASは、リオ五輪開幕を8月5日に控え、近日中にも緊急会議を開くとしている。

 2人の五輪メダリストの動きは、ロシアのドーピング問題を解決するためにIOCが開いた2日間の会議で明らかになった。24歳のモロゾフと27歳のロビンツェフは、IOCが設定したロシア選手のリオ五輪出場に関する条件は無効かつ不当な基準だとして、CASに異議を申し立てた。

 モロゾフとロビンツェフは、選手の出場可否の判断を各スポーツの統括団体に委ねたIOCの決定後、国際水泳連盟(FINA)から出場禁止を言い渡されたロシア選手7人に含まれている。

 世界反ドーピング機関(WADA)が発表したカナダ人法学者リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏の報告書によると、ロシアの国家ぐるみのドーピングは露スポーツ省によって企てられ、2014年のソチ冬季五輪では同国の極秘機関が支援していたことが明らかになった。

 ロシアのリオ五輪出場を全面禁止にする声が上がるなか、IOCは24日、各国際競技連盟が選手についてそれぞれ調査を行い、五輪の出場可否を決断しなければならないと通達していた。

 2012年のロンドン五輪で銅メダルを獲得した男子4x100メートル自由形リレーのメンバーであるモロゾフと、2008年北京五輪で銀メダルを獲得した男子4x200メートル自由形リレーのメンバーであるロビンツェフは、IOCとFINAに対して必死の抵抗をみせている。CASは声明で、「2人は2016年7月24日のIOC役員会議で出た結果の無効と法的強制力の排除を求めている」と発表した。

「彼らはまた、2016年7月25日にFINAが下した2人の五輪出場資格がないという決定を無効にすることを要求しています」

 モロゾフは先日、FINAのフリオ・マグリオーネ(Julio Maglione)会長に手紙を出し、ロシアや国際専門機関による薬物検査で一度もドーピングにひっかかったことはないと話している。モロゾフはフェイスブック(Facebook)で、「過去6年間、家とプールで最低でも月に1度、ときには一日おきにドーピングコントロール機関による薬物検査を受けていた」と主張している。

「私は公正に行われたシステムにより、五輪に出場する資格がある」

(c)AFP/Eric BERNAUDEAU