【7月14日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)のQBトム・ブレイディ(Tom Brady)が、ボールの空気圧の操作に関与したとされる、いわゆる「デフレートゲート(deflategate)」スキャンダルについて、裁判所は13日、選手側の再審請求を退けた。これにより、ブレイディは新シーズンの開幕から4試合を出場停止となることがほぼ確実になった。

 米ニューヨーク(New York)の第2巡回区控訴裁判所は、ブレイディとNFL選手会(NFLPA)からの訴えを棄却するという簡潔な裁定を下した。

 選手会は声明を発表し、「再審請求棄却の判断に失望しています。NFL、およびロジャー・グッデル(Roger Goodell)コミッショナーは、明らかな労使協定違反を犯しています」と述べた。

 米国有数の著名スポーツ選手であるブレイディは、2014年シーズンのアメリカン・カンファレンス(AFC)決勝、ペイトリオッツ対インディアナポリス・コルツ(Indianapolis Colts)戦で、ボールの空気圧の不正操作に関与したとして処分を科されて以来、リーグ側との戦いを続けている。

 この件ではまず、リーグの認可の下で調査を行ったテッド・ウェルズ(Ted Wells)捜査官が、ペイトリオッツの関係者がボールの空気圧を下げていたことをブレイディが「大筋で認識していたとみて、おそらく間違いない」と結論づけた。

 その後、2015年に開かれた裁判では、ブレイディ側に有利な判断が下され、コミッショナーが科した4試合の出場停止処分がいったんは無効となったため、ブレイディは2015年シーズンの試合に制約無く出場することができた。

 ところが、2016年4月25日に3人の裁判官の下で行われた控訴審では、2対1でリーグ側に有利な裁定が下され、ブレイディに対する処分も復活していた。ブレイディに残された最後の異議申し立ての場は、最高裁判所となる。

 処分が確定すれば、ブレイディはアリゾナ・カーディナルス(Arizona Cardinals)戦、マイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)戦、ヒューストン・テキサンズ(Houston Texans)戦、バッファロー・ビルズ(Buffalo Bills)戦という2016年シーズンの開幕4試合に出場できない。(c)AFP