【4月21日 AFP】アルプス(Alps)の氷河で25年前に発見された約5000年前の男性のミイラ「エッツィー(Oetzi)」(通称アイスマン、Iceman)の等身大の複製が、3Dプリンターで作製された。

 エッツィーが保管されている、イタリア北部ボルツァーノ(Bolzano)の南チロル考古学博物館(South Tyrol Museum of Archeology)によると、既存のCTスキャンデータを基に樹脂で複製を作り、米国人アーティストのゲーリー・スターブ(Gary Staab)氏が数か月かけてそれに彫刻と塗装を施した。復元については、「CTスキャンで読み取れなかった手の復元が難しかった」という。

 複製は3体作られ、そのうちの1体は北米で巡回展示され、他の2体は、教材として使用される予定。

 考古学界を熱狂させたエッツィーは1991年9月、名前の由来にもなったエッツタール・アルプス(Oetztal Alps)でハイカーによって発見された。

 おのや背負い袋などの他、胃の内容物やDNA、61か所の入れ墨なども見つかり、当時の日常生活を垣間見る非常に貴重な機会となった。

 エッツィーは弓矢で射られて死んだと考えられている。推定年齢は45歳。身長160センチ、体重50キロ、目は茶色で、乳糖不耐症を患っていたとみられるという。(c)AFP