【3月2日 AFP】米国で大人向けの塗り絵本が爆発的な人気となっている──何百万人ものファンが誕生し、販売部数がうなぎ上りとなっているほか、複数の図書館では塗り絵のワークショップが定期開催されている。ストレス解消で塗り絵をしている人も少なくという。

 米ニューヨーク(New York)の書店では現在、テーブルや棚にぎっしりと並ぶ大人向けの塗り絵本を目にすることができる。その内容は、マンダラから都会の風景、蝶や花など「ストレス解消を促すデザイン」が多い。その一方で、最近では「汚い言葉」の塗り絵などもあるという。

 通信販売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)での取り扱いも多く、2月の時点では、上位20冊のうち9冊が塗り絵本となっている。ファンたちは完成した作品をフェイスブック(Facebook)やピンタレスト(Pinterest)に投稿し、塗り方のコツなどを情報交換する。

 塗り絵本を数十冊出版しているドーバー・パブリケーションズ(Dover Publications)は、8月2日を「塗り絵本の日」としている。

「色を塗る行為は、落ち着きを提供する」と語るのは、米ニューヨークのアートセラピスト、リンダ・ターナー(Linda Turner)氏。「もし塗り絵に夢中になることができるのであれば…彩色に没頭し、『アート』に真剣に向き合えるのであれば、塗り絵は素晴らしいリラクゼーションをもたらしてくれる」とAFPに語った。

 また、子供は実験的な塗り絵をしたがるが、大人は必ずしもクリエーティビティーにこだわる必要はないとも付け加えている。

 昨年10月以降、ニューヨーク市内にある公立図書館(New York Public Library)19か所では、塗り絵のワークショップが開催されている。中には、週次開催している図書館もあるという。

 参加者の大半は高齢者と女性だが、塗り絵そのものは世代を越えて、大人も子どもも楽しめると、ニューヨーク公立図書館のケリー・イム・フォルク(Kelly Yim-Foulke)氏は言う。また今後は、音楽的要素を加えたり、展示会を開いたりと塗り絵プログラムのさらなる展開を考えているという。