【3月30日 AFP】中国の人権侵害を報道する数少ない国内ウェブサイト「六四天網（64 Tianwang）」を運営する黄琦（Huang Qi）氏は、これまでに数年間、投獄された経験をもつ。しかし、次々と寄せられる新たな情報に携帯電話で応対する黄氏によれば、当局は今、このサイトの報道を評価している。

 1989年6月4日に天安門広場（Tiananmen Square）で起きた弾圧事件にちなんで名付けられた同サイトには「村の役人が活動家を刺す」「ギャングが抗議の参加者を拘束」といった、中国の通常のメディアでは目にしない見出しが並んでいる。

 黄さんは20年近くにわたり、当局による不正の情報を記録・収集してきた。この間、国土の大半が農村地帯だった中国を世界第2位の経済大国へと変貌させた、人類史上最大規模の都市化が進行した。農地の収用は一部の人々に多額の利益をもたらすが、同時に数千万人の農民から、数世代にわたって家族で耕してきた農地を収奪することになる。

 黄氏は収用に抵抗する人々の姿を記録してきたため、当局による報復にたびたび見舞われてきた。しかし習近平（Xi Jinping）政権が声高に押し進める反腐敗運動の影響もあり、現在は当局によって守られている状態だと話す。