【12月29日 AFP】6月から7月にかけて行われたサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)は、多くが史上最高のW杯と評する魅力的なサッカーの祭典となり、ピッチの内外で起きた数々のドラマの末、王者にふさわしいプレーを見せたドイツ代表が戴冠を果たした。

 大会開幕前は様々な問題が持ち上がり、周囲をやきもきさせたブラジルだが、最終的には110億ドル(約1兆3000億円)を投入し、記憶に残る大会を開催した。

 サッカーファンは、ブラジルサッカーの象徴マラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)のあるリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)から、高温多湿のアマゾンの町マナウス(Manaus)まで、さまざまな場所で起こった魅力的な出来事の数々を、1か月にわたって堪能した。

 どんな時も醜聞の残り香を漂わせているサッカー界の重鎮たちにとっては、絶好のタイミングで振りまかれた消臭剤だっただろう。

 欧州の強豪ドイツは、ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)で行われた準決勝でブラジルを7-1で粉砕し、多大なインパクトを残して決勝へ勝ち上がった。今でもどうして起こったのか理解しがたいほどの大勝に、ドイツでは、4度目のW杯制覇へ向けて期待が最高潮に達した。

 フィリップ・ラーム(Philipp Lahm)主将率いるドイツの前に決勝で立ちはだかったのは、リオネル・メッシ(Lionel Messi)擁するアルゼンチンだった。こちらは、オランダと0-0で迎えたPK戦を制しての決勝進出と、24時間前にドイツ代表が演出した華々しい熱狂と比べると、エンターテインメント性という意味ではあまりにも対照的な勝ち上がり方だった。