【9月30日 AFP】ウクライナ政府軍と親ロシア派反乱軍の間で血みどろの衝突が続くなか、本拠地ドネツク(Donetsk)を離れて放浪の日々を強いられている国内リーグ王者シャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)の夢は、帰郷を果たすことだ。

 シャフタールは現在、キエフ(Kiev)に練習拠点を定め、ドネツクから約1000キロ離れたウクライナ西部のリヴィウ(Lviv)にあるスタジアムを本拠地に使い、国内リーグと欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2014-15)の試合を開催している。

 シャフタールを率いるミルセア・ルチェスク(Mircea Lucescu)監督は、「今後、本拠地のドネツクへ戻れる可能性があるかは、まだ分からない」と話している。

「チームの全員がドンバス・アレナ(Donbass Arena)でプレーし、熱いファンの後押しを感じたいと思っている。しかし、われわれの大統領が戻るのは危険すぎると言った以上、リヴィウでプレーせざるを得ない」

 シャフタールが本拠地へ戻れる見込みは、現時点では薄い。市南部にあるクラブのトレーニング施設「キルシャ(Kirsha)」は、砲撃により大きな被害を受けている。

 そして、砲弾はドネツクの最先端施設で、2012年には欧州選手権(UEFA Euro 2012)の試合も開催されたきらびやかなスタジアム、ドンバス・アレナにも撃ち込まれている。

 シャフタールとウクライナ代表でプレーするDFのイヴァン・オルデツ(Ivan Ordets)は、「僕らはみんな、仲良く平和に暮らしたいと思っている。当然のことだ」と話した。

「キエフも居心地はいいけど、僕らの心は永遠にドネツクにある。みんなホームに戻りたがってるよ」