【7月8日 AFP】史上最高のサッカー選手の一人で、レアル・マドリード(Real Madrid)の伝説とされるアルフレッド・ディ・ステファノ(Alfredo Di Stefano)氏が7日、スペインの病院で亡くなった。88歳だった。

 「ブロンドの矢(Blond Arrow)」と呼ばれ、1950年代と60年代のレアル黄金期の立役者となったディ・ステファノ氏は、ペレ(Pele)氏、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏、ヨハン・クライフ(Johan Cruyff)氏と同様に英雄視されているものの、現役時代にW杯での栄光を味わうことはなかった。

 訃報を受け記者会見を開いたレアルのフロレンティノ・ペレス(Florentino Perez)会長は、同クラブの名誉会長であるディ・ステファノ氏を「史上最高の選手」と評した。

「アルフレッド・ディ・ステファノ氏は、このクラブの歴史を変え、サッカーの歴史までをも変えた」

「彼は去ってしまったが、伝説は永遠に語り継がれる」

 ディ・ステファノ氏は5日、レアルの本拠地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)の近くで家族と食事中に心肺停止の状態になり、意識不明の重体だと報じられていた。

 クラブの声明によれば、ディ・ステファノ氏は現地時間7日午後5時15分にグレゴリオ・マラニョン(Gregorio Maranon)病院で息を引き取ったという。

 相手を惑わすドリブル、正確なパス、そしてゴール前での勝負強さを武器にしていたディ・ステファノ氏は、熱い気持ちと共に、卓越した技術と戦術でチームに貢献した。

 ディ・ステファノ氏は、得点のないサッカーの試合は「日差しのない日曜日のようなもの」という名言を残している。

 1957年と59年にバロンドール(Ballon d’Or)を受賞したディ・ステファノ氏だが、W杯の本大会出場を経験することは一度もなかった。(c)AFP/Roland LLOYD PARRY