【5月29日 AFP】イングランド・プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の米国人オーナー、マルコム・グレーザー(Malcolm Glazer)氏が28日に死去した。85歳だった。

 グレーザー氏は、世界有数のビッグクラブであり、サポーターの熱心さで知られるユナイテッドの所有権を獲得したことで、世界にその名を知られた。

 しかし、グレーザー氏がユナイテッドを買収したことに絡み、クラブが多額の借金を抱え込むようになったため、同氏はユナイテッドの熱烈なサポーターからは甚だ不人気だった。

 グレーザー氏は2005年にユナイテッドの支配権を握ったが、クラブ資産を担保に入れ、借金をして買収するという手法がファンの怒りを買い、同氏への抗議が広がった。

 買収と時を同じくして、ユナイテッドは5度のプレミアリーグ優勝や2008年の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇など、多数のタイトルを獲得するようになっていったが、同氏は多くのサポーターから忌み嫌われる存在のままだった。

 ファンは以前から、グレーザー氏の支配モデルのせいで、選手層の強化に使えたはずの資金を借金の返済にあてなければならなかったという不満を持っている。

 一方で米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の球団タンパベイ・バッカニアーズ(Tampa Bay Buccaneers)は、グレーザー氏の管理下で2002年に初めてスーパーボウルを制している。(c)AFP