【6月30日 AFP】北朝鮮は30日、韓国に対し、敵対的な軍事活動を今週末から中止することを呼び掛ける異例の提案を行った。中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が7月3日から韓国を公式訪問するのに合わせ、北朝鮮側が平和への意思を表明したものとみられる。

 異例の提案は北朝鮮の国防委員会(National Defence Commission)が発表し、国営・朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)が伝えた。その中で北朝鮮側はすべての挑発的な発言や中傷合戦を7月4日から止める用意があるとし、韓国側にもこの提案に応じるよう促している。

 また同じく来月4日から、黄海(Yellow Sea)上の軍事境界線に当たる北方限界線(NLL)周辺での実弾演習の中止やその他、敵対的な軍事行動の中止も呼び掛けている。NLL周辺はたびたび両国間の火種になっている。2010年以降は直接的な軍事衝突はないが両国ともに時々、威嚇射撃や実弾演習を行っている。

 北朝鮮側はまた、韓国の仁川(Incheon)で今年行われるアジア競技大会(The Asian Games)に向けて雰囲気を盛り上げるためとして、韓国に対し、8月に予定されている米軍との年次合同軍事演習を取り止めるよう求めた。9月19日~10月4日に行われるアジア競技大会に北朝鮮は選手団の派遣を約束している。北朝鮮は、米韓合同軍事演習は、北朝鮮への侵攻を想定した挑発的な演習だと繰り返し非難している。

 一方、韓国軍は29日、北朝鮮軍が弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射したと発表していたが、北朝鮮当局も30日になりこれを認め、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が発射の様子を視察したと発表した。

 韓国軍は、北朝鮮が発射した2発は、射程約500キロの短距離弾道ミサイル「スカッド(Scud)」だとしている。KCNAの報道ではミサイルの種類は不明だが、「精密誘導の戦略ミサイルだ」としている。

 韓国軍によると、北朝鮮は今月26日にも3発の短距離ミサイルとみられるものを日本海に向けて発射している。

 中国の習主席は3日から、韓国のソウル(Seoul)を2日間の日程で訪れた後、北朝鮮の平壌(Pyongyang)に向かう予定。北朝鮮にとって中国は唯一の大きな同盟国であり、経済的にも主要支援国だが、習主席が平壌よりも前にソウルを訪問することは意図的なけん制だと見る向きもある。(c)AFP