■衝突エネルギーは100兆電子ボルト前後に

 FCCはおそらくLHCと同じ区域内に設置されると思われ、基礎構造にはLHCのトンネルが組み込まれるかもしれない、とCERNは声明で述べている。

 CERNによると、改良整備後にはLHCの衝突エネルギーは14TeV(14兆電子ボルト)に達する予定だが、FCCでは衝突エネルギーを空前の100TeV前後にまで到達させることが可能になるはずだという。

 研究対象としては、既知の粒子にはそれぞれ対をなす未知の粒子が存在するとする「超対称性理論」などが挙げられる。

 さらには、暗黒物質(ダークマター)の解明を助ける可能性もある。宇宙の質量の大半を占めているダークマターは、通常の物質に及ぼす影響によってその存在が推察されている。

 5年間に及ぶFCCの実現可能性調査は、約300人の科学者が参加して2月12~15日にスイス・ジュネーブ大学(University of Geneva)で開かれる会合で始まる予定だ。(c)AFP/Nina LARSON