【2月9日 AFP】欧州合同原子核研究所(European Organisation for Nuclear ResearchCERN)は6日、「神の粒子」とも呼ばれる有名なヒッグス粒子(Higgs Boson)を発見した加速器の7倍の出力を持つ粒子衝突型円形加速器の建設を視野に入れていると発表した。

 フランスとスイスの国境をまたぐ全長27キロメートルのトンネル内に設置されたCERNの巨大研究施設「大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron ColliderLHC)」は2012年、物質に質量を与えた粒子として1960年代に理論化されて以来長い間探し求められていたヒッグス粒子とみられる粒子を特定した。

 LHCは、陽子ビームを光速に近い速度で衝突させることで、いわゆる「神の粒子」を出現させた。1年6か月に及ぶ改良整備を実施するため、1年前から稼働を停止している。

 CERNは、2008年に完成したLHCの寿命を「少なくとも20年以上」としている。だが後継施設の建設には長い時間を要する(LHCは25年)ため、計画は今から始めるべきということになる。

 CERNは、「Future Circular Collider (FCC)」と呼ばれている周長80~100キロメートルの大型円形加速器の実現可能性調査を今週始める予定だ。