【1月31日 MODE PRESS】ニューヨークで最も良質のオーガニック食材を、最も安く買えるところはどこか? ニューヨーカーの多くがそれはブルックリンにあるパークスロープ ・フードコープ(Park Slope Food Coop)と答えるだろう。このフードコープ、つまり日本でいうところの「生協」は、約40年の歴史を持ち、ブルックリンの閑静な住宅街であるパークスロープに位置する。このところのオーガニック熱も相まって、ますますその存在が注目を集めるようになっており、僕もNYを訪れる度に伺っている。

 単に安さとか品揃えだけが売りなら、他にも秀でたお店があるだろうが、このフードコープの特徴は、その運営体制にもある。商品が徹底的にオーガニックであるということだけでなく、運営もある種のオーガニック化、会員による有機的な自主運営を行っている点だ。そして、商品構成と運営のあり方に、流通の、そして消費の未来像が見えるように思う。

 パークスロープ・フードコープが出来たのは1973年。ベトナム戦争後、多くの社会運動がおこった時期に誕生している。

 「当時、我々は社会に不信を抱いていました。アメリカの外交政策や、黒人、女性、同性愛者等に対する人権にも問題を感じていました。そして、同じく食品に対しても不信があったのです。食品の成分を見ると、食品の多くが混合物でできている。ただ、健康にいい食品で、健康に生きたかったのです」と創設者の一人であるジョー・ホルツ(Joe Hotlz)は語っている。

 店では独自の基準を設け、オーガニック食材を提供している。生鮮野菜は、ほとんどが近郊の農家から仕入れている。小規模/近郊/家族農園を中心に仕入れており、毎週50から100の農家から新鮮な野菜が届く。それらにはどこの農家や生産者が作ったものかがわかるようにラベル付けがなされる。
※参考資料1:http://www.hyenalife.org/en/episodes/7/