【11月9日 AFP】男子テニス、ATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2013)は8日、ロンドン(London)のO2アリーナ(O2 Arena)で5日目が行われ、大会第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は6-4、1-6、6-3で第5シードのトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)に勝利した。

 ベルディハはナダルに勝てばグループ突破を果たすことができたが、このナダル戦で敗れた上、第7シードのスタニスラス・ワウリンカ(Stanislas Wawrinka、スイス)が同日行われた別の試合で第3シードのダビド・フェレール(David Ferrer、スペイン)を下したため、グループ敗退となった。結果、ワウリンカの準決勝進出が決定した。

 一方のナダルは6日にすでにグループA突破を決め、シーズン最終戦である今大会でのベスト4入りを確定させていた。

 ベルディハとの直接対決では2006年に敗れて以降15連勝中だったナダルだが、今回の対戦でも案の定序盤から主導権を握った。ナダルは鋭いバックストロークを連発してベルディハを圧倒し、試合開始早々、第1ゲームからブレークを奪った。

 ベルディハがグループステージを突破するために白星が必要だった一方で、ナダルもグループ首位で準決勝に進むには、少なくとも1セットは取らなければいけなかった。

 ナダルは相手にブレークバックを許すこともなく第1セットを制したが、第2セットが開始すると集中力が途切れたのか0-2で相手にリードを許した。

 突然の不調に見舞われたナダルが持ち直すことができない中、ベルディハは4ゲーム目にラブゲームで再びブレークに成功し、そのままセットを獲得。今大会でナダルがセットを落としたのはこれが初めてだった。

 接戦となった第3セットでは、ナダルが安定したプレーを取り戻した一方でベルディハから疲労の色が見え始めた。ナダルは8ゲーム目でブレークしてゲームカウントを5-3とし、最終ゲームをキープして勝利を飾った。

 10日に行われる準決勝でナダルは、古くからの宿敵である第6シードのロジャー・フェデラー(Rodger Federer、スイス)か、第4シードのファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)と対戦する。9日のグループBの試合でフェデラーとデルポトロは顔を合わせることとなっており、勝者がベスト4の戦いに駒を進めることとなる。

 一方、ツアー・ファイナル初出場のワウリンカは準決勝で第2シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に挑む。

「試合前にスタンがロッカールームにやってきて、幸運を祈ってくれた。僕はできるだけのことはやると言ったよ。スタンにとってはいい結果となった。彼は僕のいい友達だしね」とナダルはコメントした。

 グループAの最初の2試合で連勝し、今季を世界ランク1位で終えることを決めたナダルは、この試合では初のツアー・ファイナル優勝に照準を合わせて集中することができた。

 ナダルはこれまで出場してきたツアー・ファイナルで1度しか決勝に進出しておらず、2010年のその試合ではフェデラーに敗れて準優勝に終わっている。しかし、右膝のけがによる7か月の離脱を経た後、驚異の返り咲きを見せたこのシーズンを締めくくるために、今年こそぜひとも大会制覇を遂げたいと願っている。(c)AFP/Steven GRIFFITHS