【8月16日 AFP】4~6月(第2四半期)の世界の金需要が、価格の下落によるインドと中国からの需要の急増にもかかわらず、4年ぶりの低水準に落ち込んだ。業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(World Gold CouncilWGC)が15日発表した。

 第2四半期の金需要は前年同期比12%減の856.3トンとなった。これは、投資家がブリオンファンドをやめたことと各国中央銀行が購入を削減したためである、とWGCは指摘している。 

 一方で、米国の景気回復の兆しにより同国の景気刺激策が予想より早く縮小するとの不安から金価格が下落。これを受け世界の主要金消費国であるインドと中国では需要の急上昇がみられた。

 金価格は今年約20%下落しており、WGCは「一部の投資家は安全な避難先を金に求める理由が薄れてきたと判断した」 と報告している。

 金価格の急速な落ち込みを受けて、第2四半期には投資信託が保有する金が約400トン減少した。金額ベースでは前年同期比23%減の390億ドル(約3兆8000億円)だった。

 WGC投資担当マネジングディレクター、マーカス・グラッブ(Marcus Grubb)氏によると、第2四半期では投資売却と地金、金貨、宝飾品の需要急増の間で「市場でバランスを取り戻す」動きが見られたという。(c)AFP