【8月29日 AFP】米アップル(Apple)が韓国サムスン電子(Samsung Electronics)の携帯電話8機種の販売差し止めの仮処分を申請したことを受け、サムスン電子は28日、米国で同社製品を今後も販売しつづけるために「必要なあらゆる措置」を行うと表明した。

 前週、10億5000万円ドル(約820億円)の賠償命令を勝ち取ったアップルは、スマートフォン(多機能携帯電話)のギャラクシー(Galaxy)やドロイド・チャージ(Droid Charge)など、サムスンの携帯端末8機種の販売差し止めを求める仮処分を27日に連邦地裁に申請した。

 これを受けたサムスンは声明で、米市場でわれわれの製品が入手(購入)可能となるよう必要なあらゆる措置をとるとした。

■一部機能を修正や削除も検討か

 アップルは、米連邦地裁の陪審が24日に特許侵害を認めたサムスンの全28製品に対して、本案的差し止め命令を求める権利を有しているとの見解だが、「アップルが現在受けている差し迫った回復不可能な損害の一部に対策するため」にサムソンの一部製品のみに限定し、差し止め仮処分を申請した。

 アップルが仮処分を申請した携帯電話8機種には、現在も携帯キャリアやオンラインショップから入手可能な旧型モデルなども含まれている。一方で、サムスンの最新フラッグシップ機種である「ギャラクシーS3(Galaxy S III)」と「ギャラクシーノート(Galaxy Note)」は差し止め請求の対象機種には含まれなかった。

 サムスンは今後の戦略について詳しい説明はしていないが、販売差し止め命令が下された場合には特許侵害を認定された機能の削除または修正を検討している。「最終手段としては代用策というのも考えうる」と、あるサムスン幹部は、匿名を条件に機能修正の可能性についてAFPの取材に語った。(c)AFP