【6月3日 AFP】英国でシーク教徒(インドで始まった宗教)の男に刺された被害者の白人学生が、警察に手錠をかけられた上、加害者に人種差別発言をしたというぬれぎぬを着せられて死んでいく映像が2日に公開され、激しい怒りが広がっている。警察に対する抗議デモが行われ、一部が暴徒化し機動隊にレンガを投げつけるなどの暴動に発展した。

警察のボディーカメラの映像には、致命傷を負って横たわる被害者のヘンリー・ノバクさん(18)が警察官に対して「息ができない」と何度も訴える姿が映っている。この事件には極右が便乗し、事件が起きた南部サウサンプトンの集会で演説した著名な極右活動家トミー・ロビンソン氏は、警察が白人を「2級市民」として扱っていると主張した。

サウザンプトン刑事法院は1日、刃渡り21センチの儀礼用のナイフでノバクさんを刺殺したとして、ビクラム・ディグワ被告(23)に終身刑を言い渡し、仮釈放が可能になるまでに服役しなければならない最低拘禁期間を21年に設定した。

ノバクさんは昨年12月、サッカーチームのメンバーと夜の街に繰り出した際、ディグワ被告に刺された。

ディグワ被告は現場に到着した警察に対し、ノバクさんから人種差別的な侮辱を受け、自分こそが被害者だとうそをついた。

公判中に上映された映像には、警察がディグワ被告の主張を受け入れ、ノバクさんを救護するどころか、「刺されて息ができない」という懇願を無視して手錠をかける場面が映っている。

警察官の一人はノバクさんに「刺されたって? どこをだ?」「お前は刺されてなんかいないだろ」と言い放つ音声も記録されている。

その後間もなく、ノバクさんは倒れ、意識を失った。