20代の「刺しゅう男子」 中国プイ族刺しゅうの技術を伝承
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【9月3日 CGTN Japanese】中国南西部に位置する貴州省(Guizhou)安順市(Anshun)関嶺プイ族ミャオ族自治県出身のプイ族の「95後(1995~1999年生まれ)」の若者、王良洪(Wang Lianghong)さんはネットユーザーから「刺しゅう男子」と呼ばれています。王さんは現在、プイ族民族衣装の無形文化遺産伝承者として活動しています。大学卒業後にほとんどの同級生が都会に残ってキャリアを積む中、山奥の農村から「脱出」した王さんはふるさとに戻り、刺しゅうに専念しています。
プイ族出身の王さんは幼い頃にろうけつ染めや刺しゅうのノウハウを身につけました。大学在学中に友人から蜜蝋画を頼まれ、人生初の収入を得ました。それをきっかけに「家事」で稼ぐという発想が芽生えました。王さんは指導教師の導きの下、民族衣装の制作とデザインに関する知識を学び、プイ族衣装のさまざまな文化的意味を深く理解しました。試行錯誤を続けるうちにろうけつ染めと刺しゅうが大好きになり、職業にすることを決意しました。
7年前に大学を卒業した時、両親は王さんに教師になってほしいと考えていました。親の期待に応えられないという悩みを抱えても、王さんは自分の決意を揺るがすことはありませんでした。より多くの人に美しいプイ族衣装をアピールするため、王さんはSNSにショート動画を投稿したり、刺しゅうなどのテクニックを教えるライブ配信を始めました。しかし、コメント欄には「刺しゅうは男がするもんじゃない」などの書き込みがあり、バッシングを受けました。
王さんは、「自分が今やっていることは、教壇に立って授業をするよりもリアルで面白い」と話しています。より多くの人に向けて、刺しゅうのテクニックを伝授し、プイ族の文化を発信し、偏見を打ち破る勇気と力を伝えることができるとしています。
王さんは地道な努力を経て、「男は刺しゅうをしない」という偏見を打ち破り、服飾づくりを通じて成長すると同時に、ふるさとの無形文化遺産に若い力を注ぎ、より多くの人に自分たちの民族衣装を知ってもらい、着てもらい、好きになってもらいたいと願っています。王さんをはじめとする若者の努力の下、プイ族のろうけつ染めや刺しゅうに現代的なデザインが取り込まれました。斬新な模様や凝ったデザインなどにより、民族の特色を持つ伝統的な刺しゅうは生まれ変わっています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News