初のヒト以外の霊長類動物介入型ブレイン・マシン・インターフェース試験に成功 中国
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【5月9日 CGTN Japanese】世界初のヒト以外の霊長類動物介入型ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)試験が4日、北京で成功しました。この試験はサルの脳内に介入型BMI脳制御ロボットアームを実現したもので、脳科学分野の研究にとって重要な意義を持ち、中国のBMI技術が世界トップレベルに達したことを示しています。
この試験は南開大学(天津)の研究チームが中心となり、中国人民解放軍総病院(301病院)、上海心瑋医療科学技術股份有限公司と共同で実施したものです。試験では、これまでにヒツジの脳とコンピューターをつなげることで得られた研究成果を踏まえ、介入型脳波の受動的な収集から能動的制御へという技術的進展を遂げ、血管内脳波の収集、介入型脳波の識別など、コアテクノロジーでの飛躍を果たしました。
BMI技術は脳波を制御コマンドに変換することができることから、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの運動機能障害者とマシンをつなげることで、生活の質を高めることができます。この技術の研究過程において、侵襲型のBMIは脳への不可逆的な損傷が大きく、非侵襲型は脳容積導体の効果による影響を受けやすく、脳波の長期的な安定性を保つのが難しいことが分かっていました。一方、南開大学の研究チームが中心となって開発した介入型BMIは、皮膚に開けた穴からカテーテルを挿入し、介入型の脳波センサーをサルの脳血管壁に貼り付けることで、従来の侵襲型・非侵襲型BMIと比べ、安全性と識別の安定性が高まっています。
ヒト以外の霊長類動物の脳内で実施された介入型のBMI試験の研究成果は、介入型BMIの実験室でのプロスペクティブ・スタディから臨床応用への移行を早め、将来的に脳疾患の医療・リハビリ分野での幅広い利用が見込まれると見られています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News