中国でChatGPT使い故人を「復活」 祖父母からペットまで
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【4月26日 東方新報】中国で対話型AI「チャットGPT(ChatGPT)」を使って故人を「復活」させ、「対話」することが話題を呼んでいる。
上海市でビジュアルデザイナーをしている呉伍六(Wu Wuliu)さんは最近、亡くなった祖母のバーチャルヒューマンをChatGPTで作成し、動画共有サイト「ビリビリ動画(bilibili)」で動画を公開した。
祖母は今年1月に病気で入院し、意識不明のまま他界。看病していた呉さんは普通の会話ができなかった。呉さんは祖母が生きていた1月の春節(旧正月、Lunar New Year)前にビデオ通話をしている設定で、「年越し用品は何を買った?」と尋ねると、AIの祖母は「食用油を2缶買ったよ。手搾りなので香ばしいわ」と笑顔で答えた。「大みそかは家族みんなでお茶を飲みながら、おしゃべりしようね」。2人の自然なやりとりは続き、視聴者が書き込む画面上の文字「弾幕」は「泣ける」「涙が止まらない」というコメントが相次いだ。
呉さんは「祖母ときちんとお別れできなかった思いをAIで埋めたかった」と説明している。
AIを使った故人の「復活」は今や、当たり前のように行われている。
21歳の女性でアカウント名「小魚(Xiao Yu)」さんは亡くなった祖父をAIでよみがえらせ、おしゃべりする様子をSNS「小紅書(Red)」に公開。3000件を超える「いいね」が付き、共感するコメントが並んだ。アカウント名「肉包拳(Roubaoquan)」さんは7歳で死んだ愛犬・悠悠(You You)をAIで復活させ、「天国はいかが?」「うん、おいしい食べ物がいっぱいあるよ」という「会話」もネットで公開。同じく愛するペットを亡くした飼い主から「気持ちが分かります」と賛同の感想が集まった。
AIによる「復活」には、「本人ではないAIとの対話にすぎない」「いずれ犯罪に使われるのでは」という批判や懸念もある。中国で人気のSNS「微博(ウェイボー、Weibo)」でAIによる復活について尋ねると3万人の回答があり、「支持する」が45%、「支持しない」が55%と意見が分かれた。
専門家は「AIで故人を再現することは、近親者の一時的な喪失感を穴埋めする効果がある。過度にのめり込む懸念はあるが、技術が進歩した以上、一律に禁止しようとしても意味はない。どのように活用するかルール作りを考えていく必要がある」と指摘する。
北宋の文人・蘇軾(Su Shi%)は先だった妻について「十年生死兩茫茫 不思量 自難忘(離ればなれになって十年が過ぎたが、あえて思い出そうとしなくても、忘れることはない)」と心情をつづった。それから約1000年後、あわただしく生きる現代社会で故人をしのぶバーチャルヒューマンが登場したことは、大きな時の流れを感じさせる。(c)東方新報/AFPBB News