【9月20日 CNS】1960年代にラテンアメリカ文学が世界的にブームとなり、コロンビアのガブリエル・ガルシア・マルケス(Gabriel Garcia Marquez)などの作品が有名になった。中国では1980年代にブームとなり、のちにノーベル文学賞を受賞する莫言(Mo Yan)氏らに大きな影響を与えた。マルケスの小説『百年の孤独』は2011年に中国語の新訳版が出版されると、累計約1000万部の大ヒットを記録した。

 中国でラテンアメリカ文学というと常に「マジックリアリズム」という作風のイメージが強いが、ラテンアメリカ諸国でも同様に中国文学に対しては「オリエンタリズム」のイメージがつきまとう。

 中国の古典文学はスペイン語圏でも数多く翻訳され、古典の名作『趙氏孤児』はスペインで舞台化もされている。莫言氏をはじめ沈従文(Shen Congwen)、張愛玲(Zhang Ailing)、銭鍾書(Qian Zhongshu)、王小波(Wang Xiaobo)、麦家(Mai Jia)各氏ら現代作家の作品も出版されている。

 それでも、『百年の孤独』を翻訳した北京大学(Peking University)スペイン・ポルトガル語学科准教授の范曄(Fan Ye)氏は「スペイン語圏における中国文学は『李白プラス莫言』だと冗談で言う人もいる。李白は古典文学を代表し、莫言は近現代文学を代表している」と指摘。中国文学の豊かで多様な側面をどのように広めるかが課題となっている。

 近年、中国政府が支援する古典文学の外国語翻訳プロジェクトが本格化している。范氏は「翻訳は文化交流と相互学習の基盤となる。文学を通じて友人となり、互いにコミュニケーションを深めれば、中国とラテンアメリカ諸国の人々の絆を確実に促進する」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News